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菜の花こども園 園長
 
渡邉 正志

 世の中がもの凄いスピードで変化していることを感じます。AI(人工知能)の開発の進歩などにより、「今の子どもたちの65%は、大学卒業時に、今は存在していない職業につく」また、「今後10~20年で、雇用者の47%の仕事が自動化される」という予測もあります。車の自動運転実験のニュースや、人工知能相手に人間の名人が将棋や囲碁、チェスなどで負かされてしまうニュース、スーパーコンピューターの計算能力の飛躍的な能力向上や、ロボットの従業員が接客するホテルのニュースなどを見ると、それらの予測はあながち間違いではないかも知れないと思います。そうなると、感情を持つ人間にしか出来ない仕事が残り、必然的に感情豊かで自制心や他者への思いやり、規範意識があり、他者と協力しながら問題を解決出来る、コミュニケーション能力に優れた人材が、今以上に求められる世の中になるのかもしれません。
 しかしながら、現代の子どもたちを取り巻く環境は、感性を磨き、豊かなコミュニケーション能力を育むにはますます難しい環境となっていると感じます。
 少子化、近所の異年齢の仲間と群れて遊ぶ場の減少、テレビゲーム、ユーチューブなどのインターネットの氾濫、相手の声や表情を感じながらの“会話”を通じてではなく、メールやラインでの文字情報や絵文字でのやり取り、お店の人とコミュニケーションをとりやすい商店街での買い物から、機械的な対応のコンビ二等での買い物、ネットショッピング・・・等々 子どもたちを取り巻く環境を考えると他者との人間的で直接的な関わりの機会がどんどん失われているように思います。
 文部科学省も2010年、近年の子どもに関して、「人とかかわる力の低下、自制心や規範意識の希薄化、生活習慣の確立の不十分さ」を指摘しているように、既にその影響が子どもたちに表れているのかもしれません。
 このように将来の変化を予測することがますます困難な時代を生き抜いていかなければならない子どもたちは、どのように乳幼児期を過ごすことが望ましいのか、保育者はどのように援助すべきかを考えていかなければなりません。
 菜の花こども園では、「乳幼児期の子どもたちの生活や遊びがそのまま学びにつながっている という考えが、教育・保育の基本となっています。
 「幼児期は就学ための準備期間ではなく、遊びを通した自らの体験によって身に着けていく、生涯における学びの基礎をつくる時期であり、好奇心に突き動かされ、自分で課題を見つけ、その解決に向かって身体と五感を精一杯使いながら考え、行動し続け、感動し、学ぶことを喜びと感じることのできる力を育むことが大切」という考えです。
 園庭や教室で夢中で遊びにのめり込んでいる子どもたちの姿を見ていると、子どもは遊びを通してその時々に必要な力を獲得し、それを次の遊びの場で活用しながら、その子なりの達成感や満足感を味わい、また人と交わることや自然との触れ合いを心地良いと思える感性を身につけていくことを感じます。
 私たちは保育者として、大人として、将来の変化を予測することが困難な時代を生き抜いていかなければならない子どもたちが変化に対応し、「生きる力」を育むための援助として、子どもたちの「遊びが学びにそのまま通じる」ように、園生活での様々な場面で環境を整え、計画的に意図的に組織的に園での生活や遊びを通じた教育・保育の実践を目指します。

 

 
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